バルト三国の一国、リトアニアの首都であるヴィリニュスは、街そのものが世界遺産に登録されるほど美しく、旧市街の歴史を感じながらの散策は格別の楽しさです。観光スポットも非常に多く、ガイドブックに載りきりません。
そんなヴィリニュスで私が訪れた観光スポットの中から、厳選した見所を紹介していきます。
- リトアニアの首都ヴィリニュスの基本情報
- ヴィリニュスおすすめ観光スポット
- 夜明けの門(Gates of Dawn)
- 聖テレサ教会(The Church of St Theresa)
- 聖カジミエル教会(Church of St. Casimir)
- 旧市庁舎(Town Hall)
- 聖キャサリン教会(Saint Catherine’s Church)
- 聖アンナ教会(St. Anne’s Church)
- 聖フランシスコ・聖ベルナルド教会(St. Francis of Assisi (Bernardine) Roman Catholic Church)
- ヴィリニュス大聖堂(Vilnius Cathedral)
- ヴィリニュス大聖堂の鐘楼(Vilniaus Arkikatedros Varpinė)
- リトアニア国立博物館(The New Arsenal of National Museum of Lithuania)
- ゲディミナス城(Gediminas Castle Tower)
- 国立KGB博物館(Museum of Occupations and Freedom Fights)
- 国立ユダヤ博物館(Holocaust Museum/The Green House)
- 聖ヤコブ・フィリップ教会(St. Apostles Philip and Jacob Church)
- 大天使ラファエル教会(Church of St. Archangel Raphael)
- 3つの十字架の丘(Three Crosses)
- (+α)リネン・テイルズ(LINEN TALES)
- おわりに
リトアニアの首都ヴィリニュスの基本情報
ヴィリニュスはリトアニア最大の都市で、人口は約56万人。地形上はヨーロッパの中心に位置しています。入り組んだ町並みにはゴシック・バロック・ルネッサンス様式といった古い建造物が多く残されており、ヨーロッパ最大級と言われる旧市街は「歴史地区」としてユネスコ世界文化遺産に登録されています。
ヴィリニュスの治安
治安は非常によく、私のような小柄な日本人男性が深夜に一人で出歩いていても特に問題は発生しませんでした。野良犬を1匹みたくらいです。 女性では事情が変わるかもしれませんが、海外旅行における基本的な注意を怠らなければトラブルに遭うことは少ないでしょう。
観光客が凄まじく多いといったことがないのも魅力的です。他のヨーロッパの大都市よりはスリの心配が少しは減ります。とはいえ、充分に注意しましょう。
参考にNUMBEOのリンクを貼っておきます。色んな都市の治安情報が見れるサイトです。
ヴィリニュスの天気・服装
リトアニアは日本と比べれば涼しい国で、冬は氷点下にしばしばなります。夏に30℃を超えることはもちろんありますが、湿度は高くないために不快な暑さは感じないでしょう。夏でも夜はかなり涼しくなります。
そのため、夏は調節できるように上着を持って行ったりは必要です。冬であれば氷点下に耐えうる服装にしましょう。降水量は日本の半分にも及びません。
ヴィリニュスの観光日数
目的によるのは勿論なのですが、個人的には少なくとも3日をオススメしたいです。のんびりと教会や博物館を回り、少し離れたトラカイ城に行く日を設けたり、地元料理やお土産選びをしていれば3日はあって良いかなと。
特にリトアニア料理は美味しいうえ、多数のレストランがヴィリニュスにはありますので、グルメ旅行も楽しんではいかがでしょうか。
ヴィリニュスおすすめ観光スポット
欧州最大規模の旧市街には建造物が1500以上並んでおり、歩き回るだけでも大変楽しい街になっています。空港などにあるミニガイドに記載の50スポットや個人的に見つけた場所のうち、オススメできる観光スポットを紹介します。
夜明けの門(Gates of Dawn)
夜明けの門はかつてヴィリニュスを取り囲んでいた城壁の城門です。全部で9つあった城門のうち、現存する唯一のものになります。礼拝堂が上に併設されており、中には聖母マリアの肖像があります。今でもミサも行われます。
マリアのイコンは奇跡を起こすと信じられているそうです。ミサに参加する人の多さからも、リトアニア人の信仰心が窺えますね。
聖テレサ教会(The Church of St Theresa)
夜明けの門のすぐ傍に位置する初期のバロック様式の教会です。火事や戦時中の破壊行為からの修復といった過程を経て現在の形になりました。外観は少し地味に見えるかもしれませんが、この教会の見所は内部。花崗岩と大理石の装飾は見事です。
聖カジミエル教会(Church of St. Casimir)
17世紀初頭に建設されたイエズス会の教会で、カジミエルはリトアニアの守護聖人の名前です。この教会も戦時中に火災に見舞われています。イエズス会の教会として復帰できたのは独立回復後のこと。リトアニアの独立派1991年ですから、かなり最近ですね。
美しいバロック様式の外装、内装は必見です。
旧市庁舎(Town Hall)
この旧市庁舎はもともとはゴシック様式で建てられていたのですが、時が経つにつれて変化し、古典主義建築をモデルとしたものに生まれ変わりました。現在ではコンサートや講演会など、様々なイベントが年間を通じて開催されています。
正面から見ると神殿のようで、夜はこのように照らされていて美しいです。
聖キャサリン教会(Saint Catherine’s Church)
その見た目がピンクで可愛い聖キャサリン教会ですが、歴史は古く、建設されたのは1600年代のこと。しかしながら他の多くの教会のように、ここも戦時中に破壊されます。再建が始まったのは1994年。つまりリトアニア独立直後のこと。
現在は演奏会や音楽祭に利用されるコンサートホールとしての役割も担っています。
聖アンナ教会(St. Anne’s Church)
外観から分かるゴシック建築の聖アンナ教会ですが、見事な美しさです。他の教会が幾度も破壊や修復・改築されてきたのとは対照的に、この教会は完成当時の姿をそのまま残しています。ヴィリニュスにおけるシンボルとなっています。
あのナポレオンがパリに持って帰りたいと語ったとも言われています。バルセロナにおけるサグラダファミリアのような、象徴的な建物ですね。
聖フランシスコ・聖ベルナルド教会(St. Francis of Assisi (Bernardine) Roman Catholic Church)
上で紹介した聖アンナ教会に隣接しているカトリックの教会です。こちらもゴシック様式で、内装の壁はルネサンス様式の絵画も混じっています。聖アンナ教会に立ち寄ったら必ず一緒に行きましょう。内装の違いに注目すると面白いです。
ヴィリニュス大聖堂(Vilnius Cathedral)
13世紀半ばにリトアニアを統一した王が、十字軍の圧力から逃れるためにキリスト教に改宗しました。この大聖堂はその時建てられた教会が基になっています。その後も増改築が繰り返され、ゴシック様式→ルネサンス様式→バロック様式という建築様式を経て今の形、新古典主義様式の聖堂になりました。
旧市庁舎の建築ととても似通っていて、ギリシャ感がありますね。中も非常に広いですよ。
ヴィリニュス大聖堂の鐘楼(Vilniaus Arkikatedros Varpinė)
大聖堂の前には上の十字架も含めると高さ57mにもなる鐘塔があり、こちらはかつての城壁の一部です。聖堂と塔があるこの広場は人々の憩いの場でもあり、イベントの会場にもなります。
こちらの塔は登ることができ、高い建物のない旧市街を上から見下ろすことができます。
リトアニア国立博物館(The New Arsenal of National Museum of Lithuania)
旧市街の北東方面、ネリス川のすぐ近くに立つシンプルで美しい建物がリトアニアの国立博物館です。国立博物館の名に恥じぬ、リトアニアやバルト三国の歴史・文化についての展示が楽しめます。かつては武器庫として使われていた建物だそうです。
これと併設されているリトアニア大公宮も見学するのもオススメです。大公宮はツアー見学になります。
ゲディミナス城(Gediminas Castle Tower)
正確には15世紀に建てられた城の一部として残っている塔です。塔としての高さは3階ですが、最上階の展望台に登ってみるとヴィリニュスの美しい街を一望できます。内部には映像やパネルの展示もされています。
気を付けてほしいのは、ここに来るまでの道が滑りやすくゴツゴツした岩場で、少し危険な点です。特にお年寄りやヒールの方は登りにくいでしょう(海外でヒール自体やめた方がいいけど)。北側からケーブルカーで昇り降りも可能ですが、私が行った時は営業時間内にも関わらず動いていませんでした。工事後に動くようになるかもしれません。
※2019年12月現在の工事が終われば歩きやすくなると言われています。
国立KGB博物館(Museum of Occupations and Freedom Fights)
旧ソ連のKGB本部があった建物をそのまま使っているジェノサイド博物館です。リトアニアはかつてナチス・ドイツによる被害が最も深刻だった国です。武器や虐殺の展示、地下には監獄や処刑室までもが生々しく展示されています。
ここは必見です。この国の独立への歴史と戦いのことを、是非知って帰りましょう。目を覆うような展示も、ここでは見るべきです。
国立ユダヤ博物館(Holocaust Museum/The Green House)
グリーンハウスとも呼ばれている小さな一軒家のような博物館です。扉は鍵がかかっていますが、ベルを鳴らせば中から解錠してくれます。パネル展示が中心ですが、ここで見れるのはユダヤ人の過酷な歴史。ナチスによって「絶滅」させられようとしていた彼らの苦難は想像を絶します。
KGB博物館からそう遠くないため、ここも一緒に訪れることをお勧めします。また、東洋のシンドラーこと杉原千畝の記念碑が外に建てられています。
聖ヤコブ・フィリップ教会(St. Apostles Philip and Jacob Church)
赤い見た目が美しく特徴的なこの教会は木造です。1624年に建てられており、教会にある聖母の絵画は奇跡を起こすと言われており、実際にその奇跡に関するエピソードが実在するそうです。例に漏れずこの教会も破壊と再建の後にこの姿になっています。
何と言っても外観が美しいので、訪れたい教会の一つですね。
大天使ラファエル教会(Church of St. Archangel Raphael)
数あるローマ・カトリック教会の一つで、18世紀に建てられたものです。私が行った時は写真の通り一部が改修工事中でしたが、上品で美しい内装と庭が素敵でした。
バロック様式の建築で、インテリアも豪華です。工事が終わっていればなおのこと美しいでしょう。こういった改修工事の情報はなかなか行ってから判明することが多いですが、それもまた旅の醍醐味だと思います。
3つの十字架の丘(Three Crosses)
ゲディミナス城よりも更に東に位置する小高い丘にあるのが3つの十字架です。街の見晴らしも良いですが、登るには軽いハイキングになります。かつてヴィリニュスで殉教した7人の修道僧のうち3人はここで磔になったとされ、彼らを奉るために建てられたのがこちらの十字架です。
なんとこの十字架もソ連に破壊されていますが、後に再建されました。登りに行く際は足元に十分に注意してください。アスファルトで整備されている道でも、登山道でも行けます。
(+α)リネン・テイルズ(LINEN TALES)
観光スポットに+αで、私が個人的にお勧めしたい場所を紹介します。
リトアニアは琥珀などもお土産として有名ですが、リネンも超有名です。私たち日本人は旅行に行くとお土産をよく買いますが、リトアニアに来たら上質なリネン製品も是非見てみてください。
ここLINEN TALESは小さなタオルからテーブルクロス、洋服に至るまで様々な商品を取り扱っています。店員さんも英語しっかり通じるし、訊けば丁寧に説明してくれます。
ここ以外にも店舗を持っていますし、リネンや琥珀のお店はヴィリニュスに沢山ありますから、是非歩き回ってお土産探しも楽しんでいただきたいです。
おわりに
バルト三国の最も南に位置するリトアニアの首都、ヴィリニュス。魅力たっぷりの旧市街は歩いていてとても楽しい街です。レストランも観光スポットも豊富、治安も良し、となれば行って損はありません。
まだまだ日本ではマイナーな旅行先かもしれませんが、私はリトアニアだけでなく、今後バルト三国はもっと人気が出ると思っています。なにせ本当に良い所ですから。
いっぺんにツアーで回るには勿体ない都市ですので、ゆっくりと楽しむ計画も検討してほしいなと思います。この記事が参考になれば幸いです。
読んでいただきありがとうございました。
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