結構な奇跡によって無事にヴラドのお墓と対面することができました。旅には思いがけないことが付き物ですね。
別記事で行き方を書いてみたのですが、実際に行ってどうだったかをこちらに記すことにしました。行きたい人には参考になるけど、ただの日記みたいなもんです。お暇でしたら最後までお付き合いください。
まずはブカレストで情報収集
「スナゴヴ修道院 行き方」で検索しても英語ですら情報が殆ど何も出てこないんですよね。わずかに探せる口コミ情報も7年以上前のものばかり。ということで、現地で情報収集が確実と思って観光案内所へ。
ブカレストに観光案内所は数カ所あるようですが、その時たまたまUniversitate駅の近くにいたので、そこの駅ナカの観光案内所に行きました。優し気なおばさんへスナゴヴ修道院へバスで行きたい旨を伝えると、どうやら131番とR446番のバスを乗り継いで行く模様。英語で説明してくださいました。
131番とR446番バスの時刻表および停留所リストが載った紙を渡され、まず「Piata Presei」というバス停へ向かうことにしました。因みにこの紙はSTBのHPで同じものを見ることが可能です。
バス停探し
停留所通り降りたつもりの場所はPiata Preseiではなく「Piata Presei Libere」。ちょっと違う…ということで、公園を通ってPiata Preseiへ徒歩で向かいました。
さほど離れていなかったので、Piata Preseiのバス停に到着。トラムの駅も兼ねているようでした。チケット売り場の窓口には観光案内所で貰ったような紙が貼られており、色々な路線番号が分かるようになっていました。どうやらPiata Preseiは郊外路線が多い模様。
概ね1時間に1本ほどしか来ないようです。人もそれなりにいました。
R446バスへ乗り込んで40分ほど。Google Mapを見ながら降りたのはスナゴヴにある小さなスーパーでした。因みにバスにはエアコンもなく、8月末だったこの日の車内はなかなかの暑さ。しかも次に停まる停留所が分かりづらい。こんな時でも頼れるGoogle Mapは神( ゚Д゚)
とても暑かったのでここで飲み物を購入したら、店員の少年がまさかの一言。「こんにちは」と。ビックリでした。ルーマニアであまり英語が通じなかったこともあり、久々の会話です。
彼は英語も少し話せるようで、ここから修道院までの道を教えてくれました。もっとも、スーパーのすぐ横の道をまっすぐ行くだけですが。
そもそもこんな風に看板にも書いてあるんです。1kmの散歩ですね。因みにブカレストへの帰り方も教えてくれました。 「ここで待ってればそのうちバスが来るよ」とのこと。「平日だから1時間に1回くらいは。タイムテーブルはない」ですって。この暑さでかい。
でも確かにブカレスト近辺のバスを運行しているSTB社のロゴとバス停名が書いてありますね。
到着…そしてまさかの…
道中はなんというか「途上国の田舎(失礼)」感がぬぐえませんでした。しかしまぁ観光客が他にいない!この観光スポットは知られているのだろうか?それとも情報が無さすぎて皆諦めてしまうのだろうか…ルーマニアがそもそも旅行先として不人気だからだろうか…(´・ω・`)
途中、地元住民に「Japanese!!」と声をかけられて雑談したり、地元の子供に「Japanese!!」と手を振られたり(なぜ日本人と分かるのか)して、せっかくなので子供に地図を見せて案内してもらいました。橋を渡って行くらしいことは地図から分かっていたので、橋まで先導してもらった結果…
( ゚Д゚)
( ゚Д゚)
( ゚Д゚)なん・・・だと・・・
クローズ。マジかよ。Google Mapでは施設の情報に営業時間等も書いてありますし、それによれば閉まってないはず…
苦労して来た結果がこれです。そもそもググっても情報出てこなさすぎるしさぁ…
この時私は半ば諦めかけてました。なんか電話番号書いてあるけど電話できるSIMも持ってないし。しかし先ほど案内してくれた少年が橋の下に連れていってくれたら、そこに彼のお父さんとその友人と複数の子供が!
どうやら彼らはのんびりと釣りをしていた様子。見れば男の子の兄弟もいるじゃありませんか。どうにかして中に入れないか…というか何か知らんかなと思ったら、少年がお父さんに何か話しています。説明してくれてんのかな。お父さんがスマホを取り出しました。
スマホを渡されたので、Google翻訳で事情を話してみると、しばらく考えた後「ボートがあれば行ける」とのこと。くそぅ。あるわけないやろ。しかも木に囲まれてて修道院の姿すら見えねぇ。
一筋の希望
もう打つ手はなしです。流石に柵越えとかいう犯罪を犯したくありません。親子に礼を言い、トボトボと橋の入口まで戻りました。もはやこれまで…と思っていたら、一組の夫婦がそこに。
彼らもまた、クローズに唖然としてました。イタリアから旅行にきた夫婦のようで、ここまでレンタカーで来たとのこと。自分はもう諦めて帰るつもりであることを伝えると、奥様が「柵に書いてあった電話番号に電話をしてみるから待ってて」とのこと。ルーマニア語話せんの??( ゚Д゚)
しかしイタリア語で話しています。何言ってるかわかりませんでしたが、「今日はクローズらしい」という回答だけ分かりました。イタリア語とルーマニア語は少し似ていて、単語単語で何とか伝わったみたいです。
そしたら「近くにナショナルスポーツセンターがあるから、そこで頼んでみましょう」とのこと。
・・・?
「レンタカーで乗せてってあげるわ。一緒に行きましょう。」
・・・??
ルーマニアは重量挙げやレスリングが強い国で、五輪で多くのメダリストを輩出しています。そして、その強化センターなのかは詳しく知りませんが、ここスナゴヴに練習施設があるのです。ナショナルレベルだから東京五輪に出るような選手もここで練習してる可能性が高い…!
しかし、ここはスポーツ選手の強化施設であってボート貸出屋さんではありません。無理でしょ。さすがイタリア人だな(失礼)と思いながら夫婦と受付のおじさんの交渉を眺めていたら、
なんとOKサインが。
これは本当にびっくりです。
いざスナゴヴ修道院へ
わずかに探せたネットの情報だと、ボートに100lei払ったりといった10年前の体験談があったりします。私もそれを覚悟していたら、「3人とも無料でいいよ」とのこと。もうルーマニア大好き。
「せっかくだから」とボートで湖を一周してくれました。無料なのに優しすぎる。途中、クローズされていた橋を通ると、先ほどの親子が手を振ってました。
のんびり釣りを楽しんでいるようです。ぐるっと回り、スポーツセンターの可愛い女子選手たちにも手を振りながら修道院の建つ小島へ到着。
しかも連絡済だったようで、修道院も開けてくれました。感謝してもしきれません…
ついにヴラドの墓と対面です。この下にドラキュラ公が眠っていると言われています。墓だけでなく、内部や天井の装飾も美しく見事です。
入場料は15lei、写真の撮影をするなら+で10leiと言われましたので迷わず25leiを支払い。こんな偶然の出会いで来れた機会だから撮ろう。
外になぜか沢山野良犬がいました。人に慣れてるようです。私もイタリア人夫妻に出会わなかったらホテルでこうなっていたでしょう。
最後に蓮の綺麗な場所を通り抜けて戻ってもらいました。同行したイタリア人夫妻も満足げです。
施設のスタッフにお礼を言って、さらにイタリア人夫妻にブカレストまで送ってもらいました。至れり尽くせりすぎる。何も返せていないのに。
フィレンツェから来た夫妻にとにかくお礼を言って別れました。いやー、いい出会いだった。諦めちゃいけないなということを学びました。
おわりに
そんなわけで、自力で(?)スナゴヴ修道院に行くという目的は達成されました。情報が無さ過ぎて心配だったけど、いい思い出ができて結果的に大成功です。本当は普段は開けてないんじゃないかなとも一瞬思ったのですが、まぁ行けたからいいや。
こういった思いがけない奇跡も旅の醍醐味ですね。旅っていいなぁ。
他にもブカレストには見所があります↓↓
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