【たぶん一番詳しい】ブカレスト市内のバス・トラム・地下鉄・タクシーの乗り方【路線図つき解説】

ブカレストの公共交通機関は充実していますが、バスの乗り方には要注意です。まんまと罰金を払う羽目になった筆者が経験を交えて、同じ思いを誰もしないよう願いをこめて解説します。罰金の悔しさ故にたぶん一番詳しく書いてあります。

ルールさえ押さえて、やり方を把握しておけば怖がることは何もありません。しっかり読んでブカレストの交通機関を知りましょう!

ブカレストの公共交通機関

交通機関の基礎知識

ブカレスト市内では主に以下の3つの公共交通機関が使え、運営会社が異なります。これ前提知識と思ってください。

  • バス…STBが運営
  • トラム…同上
  • 地下鉄…Metrorexが運営

STB (Bucharest Transit Corporation)はブカレストの殆どの公共交通機関を運営している会社です。2018年まではRATBという名前でした。つまりネットで転がっている情報に「RATB」と入っていたら最新ではないと思ってください。一方地下鉄を運営しているのはMetrorexという会社です。

とても幸運なことに、ブカレストではGoogle Mapでの経路検索は有効です(お隣のモルドバではできない)。なので困ったらGoogle Mapに頼れるということは覚えておきましょう。

チケットの種類

旅行者がブカレストで購入するであろうチケットには大きく分けて青のMultipluカードと緑のActiveカード、そしてメトロ用のチケットの計3種類が存在します。更に細かく言えばActiveカードも2種類あるのですが、知らなくても大丈夫。

Multipluカードは発行手数料が1.6lei(約38円)で、チケット売り場や券売機から購入できます。2~10回または1日券を購入可能。特徴は再チャージができないことです。

Activeカードは発行手数料が3.7lei(約88円)で、 Multipluカードと購入方法こそ同じですが再チャージが可能です。2.6~50leiまでの額をチャージ又はこちらにも1日券などが入れられます。チャージはオンライン、ATM、券売機、窓口で可能です。オンラインは登録等が面倒くさいので、その他の手段をオススメします。

メトロ、つまり地下鉄用のチケットが下の画像です。後程詳しく解説します。切符みたいなもので、バス・トラムと違ってタッチじゃなくて改札に通します。

MulipluカードとActiveカードはバス・トラムの両方で使えますが、地下鉄では使えません。メトロのチケットは地下鉄で使えますがバス・トラムでは使えません。つまり、基本的にSTBとmetrorexのチケットは共通ではないんですね。

Multiplu・Activeカードに関して言えば、複数人で使うことが可能です。例えば家族で一緒に使う場合は、必要な金額のチャージがされていれば人数の回数機械にタッチすることで人数分差し引かれるわけです。ただし、1日券や7日券といったフリーパスは1人だけしか使えません。不正防止のために、使うと15分間は使用不可になります。

実は4種類目のチケットとして、3つの公共交通機関共通で使えるカードも存在します。それについては下の方で解説しています。

ブカレストのバス・トラムについて

まずバスとトラムについて解説しましょう。どちらも運営がSTBなので、チケットの買い方は共通です。

バスとトラムのチケットの買い方

チケットを買う方法は旅行者であれば主に2通りです。1つは街中にあるSTBのチケット売り場で買う方法。もう1つは券売機で買う方法です。どちらにせよ、全てのバス停に備わっているわけではありませんので、探す必要があります。公式サイトに窓口券売機の場所が載っています。

チケット売り場は以下のような小さい箱型で、 あまり目立たないので写真を参考に。結構小さいです。 中におばさんがいて買えるようになっています。取り扱いは現金のみなので気を付けてください。英語はあまり通じませんが、こちらが何を欲しがってるかは大体伝わります。 チャージしたい金額または回数を伝え、カードの発行手数料と併せた額を支払います。

ActiveカードMultipluカードのどちらを買うかですが、どっちでもいいです。強いて言えばActiveカードには再チャージできるメリットがありますが、発行手数料が倍以上になります(そもそも安いけど)。 もともとActiveカードは定期(毎週・毎月)などで移動するような人を想定してるので、ID付発行をしたら紛失時に4.7leiで再発行可能だったりと、色々と地元民向けなのです。

どちらのカードにせよ、1日券がオススメです。残額を気にしなくて良い上に安いので非常に楽ですよ。

出典:wikipedia

一方、券売機ではクレジットカードの利用が可能です。下の画像のような券売機があり、これで両カードの購入の他、チャージも可能です。この写真は空港で撮ったものですが。

写真に写っているように、最初に表示されている画面で〇が3つ並んでおり、何をするかを選択します。左はチャージ/残額チェック、真ん中がチケットの購入、そして一番右は地下鉄も含めたパッケージカードの購入です。このパッケージカードについて知らない人が多い気がします。先に述べたバス・トラム・地下鉄の3つ共通で使えるカードとはこれのことです。

真ん中を選択すると、下の画面に進みます(見づらくてすみません)。この画面では何を購入するかの選択をします。上から順に市内、郊外、1日券、特急バス(780or783番:空港接続)です。上2つでは最初に何回分入れるのか選択になります。再度言いますが私のオススメは1日券です。 8lei (約190円) と激安なので、チャージを気にしないでいい1日券を買った方が得になると思います。 7日以上滞在するなら7日券(17lei=約406円)でもアリかと。15日券は25lei(約598円)です。

1日券を勧めてはいますが、空港⇔市内を結ぶバスは特急バスでして、STBと言えど別モノです。なので、1日券には空港と市内を結ぶExpressは含まれない点は注意です

バスとトラムについての注意点

どちらに乗る場合でも、事前にチケットを買っておかなければいけません。運転手から買うことはできません。また、ブカレストの朝夕のラッシュの時間帯はかなり混雑しますので、スリ等には充分に注意してください。

一番大切なのは、乗車したら車内の黄色い機械にチケットをかざして読み取らなければいけないというところ。これを忘れるか、私のように上手く読み取らせることができなければ罰金です。これについて詳しくはSTB公式HPに書いてあります。

複数人で1枚のチケットを使うには、読み取り→ボタン2を押下→読み取り→…としていくことで対応可能ですが、操作に自信ないと思うなら複数人は複数カードを購入するのも良いかと。安いし。

正しく読み取られれば緑色のランプが点き、「Calatorie placuta(良い旅を)」とLCD画面に表示されます。2秒くらいしっかりカードをかざしましょう。この読み取りは乗車の都度必要です。

私はこれ、サッとタッチしただけで赤ランプが点いたことに気付かなかったため、罰金を実際に取られました。チケットはちゃんと4回分をチャージしていたし、かなりゴネてみたんですけどダメで面倒になって結局は払いました…物価が安いはずのルーマニアでかなり無駄な出費(50lei≒1200円)でした。因みに罰金払うとその日の1日券の権利が貰え、バスとトラムは乗り放題になります。

※通常1日券は8leiです(泣)

先に述べたように、Google Mapは活用しましょう。車両が古い場合もあって、次の停車駅が何という名前なのか分からなかったりすることもあります。車内アナウンスもないです。周囲に気を付けつつマップアプリでよく位置を確認しましょう。

ブカレストの地下鉄の乗り方

ブカレストの地下鉄はMetrorexが運営しています。なので、基本的にSTBが運営するバス・トラムとは違うチケットを買わなければいけません。

上はメトロの路線図です。メトロは2020年5月現在で4つの線(M1~M4)が走っていますが、今後も増やす予定で建設中です。地下鉄自体はバスに比べれば新しくて快適で、意外なことに(←失礼)、割と時間通りに運行しています。バスよりも頻繁に来るので、街を散策するのにかなりオススメな移動手段ですので上手く利用しましょう。

地下鉄のチケットの買い方

各駅に行けば券売機がありますので、そこで買うといいでしょう。クレジットカード利用可能です。殆どの地下鉄の駅にありますし、オレンジ色で見つけやすいでしょう。

言語は英語、フランス語、ルーマニア語が選択できます。まず最初の画面で言語を選択して、カードを購入する画面に進みます。

選択できるのはやはり往復券のみ。2回分~1ヶ月フリーパスまでです。メトロに関しては値段は2020年現在のレートだと

  • 2回券…5lei(約120円)
  • 10回券… 20lei(約478円)
  • 1日券… 8lei(約192円)
  • 1週券… 25lei(約597円)
  • 1ヶ月券… 70lei(約1674円)

となっています。安いですねー。ただ、実は公式サイトには片道券の存在が確認できます。もしかしたら1回券を買う方法があるかもしれません。

買う回数を決めたら支払いです。現金とクレジットカードの両方が使えます。

これでメトロのチケット購入は完了です。日本とそんな変わらないので、バス・トラムよりも楽かもしれませんね。

券売機の他にも、窓口での購入が可能です。その場合も何回分必要なのか伝えてお金を払うだけですので簡単です。メトロの場合はチケットの発行手数料はありません。

地下鉄の注意点

さきほどの値段を見れば一目瞭然ですが、オススメはやはり1日券です。たった200円もしない額で乗り放題ですからね。

因みに1日~1ヶ月のフリーパスはバス・トラムと同じく15分の使用不可時間があります。1人1枚というのは変わりませんのでご注意ください。

運行時間は5:00~23:00で、24時間では運行してません。朝夕のラッシュはやはり混みますのでスリ等に注意してください。

共通チケット(トラベルパッケージカード)について

ここまで解説したバス・トラム・地下鉄の全てで使えるカードがトラベルパッケージカードです。券売機の写真の画面一番右にありましたね。

STBとMetrorex両方で使えるカードを発行できます。購入パターンは3つで、60分間5lei(約120円)、60分間10回で34lei(約813円)、 1日券1人用17lei(約406円)、 という、分かりづらい設定になっています。1日券の方が60分間10回より安い理由は1人用だからです。先に解説した通り、1度改札をくぐれば15分間は使用不可になります。これは7日券や15日券といったフリーパス全て同じです。人数分必要なら人数分買いましょう。

詳しくはMetrorexのHPに書いてあります。

ブカレストのタクシーについて

そもそもオススメはしませんが、荷物が多い、郊外に行きたいなどでタクシーをどうしても使いたい方がいるかもしれません。

タクシーの乗り方と注意点

海外旅行の基本ですが、タクシーの被害で多いのはぼったくりです。 ブカレストは悪質なタクシーで有名でして、現地人にもおすすめしないと言われました(そもそも使う気ないけど)。

もしどうしてもその辺でタクシーを拾って乗らなければならないのであれば、まず乗る前に運転手に目的地を告げて、おおよその料金を訊くことが大切です。乗ったら乗ったでメーターがちゃんと動いているかなども確認が必要です。

また、普通はタクシーのドアにも料金が書いてあります。概ね1km当たり1.39~3.5lei(約33~84円)が価格です。事前に料金を訊いて、適正価格の範囲を越えてたらぼったくりと思ってください。

もう一つ、これも海外タクシーあるあるですが、お釣り問題です。請求額に対して大きめの紙幣を出すと、「お釣りはない(持ち合わせがない)」と言ってきます。回避するには少額の紙幣もしっかり持っていくことです。加えてお釣りも100leiと10leiをすり替えて渡してくるといった話もあります。悪質すぎる…

タクシー予約サービス

より安全に、ということなら、オンラインで配車ができるタクシーを使うのも手です。以下のサイトではブカレストでタクシーを予約できます。

安心のUber

世界的に利用者が多いUberはさらに安心です。支払いは事前にアプリで行うことができるので、上記のトラブルは無縁になります。どの国でもUberはタクシーより安いですから、ルーマニアも例外ではありません。むしろ物価の安さも相まって激安です。

勿論ネットが必要なので、SIMかWiFi環境下で利用しましょう。

おわりに

個人的に苦い思い出があるブカレストの交通機関ですが、できるだけ正確に丁寧に解説しました。たぶん役立つ記事になっていると思います。

上手く乗りこなせば効率のいい観光に有利なはず。この記事が参考になればと思います。

読んでいただきありがとうございました。

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