デンマークの首都にして北欧地域最大の都市であるコペンハーゲン。故に見ておきたい観光スポットも非常に多く、郊外の城なども効率よく回るためには交通機関をしっかりと使いこなすことが大事になります。
この記事では観光客が使うであろう3つの公共交通機関であるバス、地下鉄、電車の乗り方やチケットの買い方について分かりやすく解説しています。
コペンハーゲン交通機関 基本情報
コペンハーゲンを走る公共交通機関は主にバス・地下鉄・電車の3つ。不思議なことに、他のヨーロッパ諸国の多くに走っているトラムはコペンハーゲンにはありません。
3つの交通機関は運営元がバラバラですが、チケットが共通化されているため簡単に利用できるのが分かりやすくて魅力です。目的地が同じなら、どの手段でも運賃は同じ。
路線図はこちらの公式サイトで見られますので参考にしてください。
バスの乗り方
大きく分けてAバスとSバス、そしてNバスの3種類があります。AバスはSバスよりも停車駅数が多いため移動時間はかかりますが、その分目的地に近い場所を選べます。コペンハーゲン中心部の主要バスとなっています。10分おき程度で運行していますが、午前7:00-9:00、午後15:30-17:30の通勤ラッシュアワー時は3~7分間隔での運行となっています。
SバスはAバスより本数が少なく、通常時は20分毎、ラッシュアワー時は5~10分毎の運行です。ストップ数が少ないため、上手く使えばAバスより早く目的地に着くことが出来ます。
Nバスは要するに夜行バス。バス停の標識が灰色になっているところには夜行バスが停まります。
Single Ticketでバスに乗る時は運転手に目的地を告げて現金で前払いです。大きなお札はダメなので割と不便です。後程紹介するCity Passなども乗車時に運転手に見せます。
乗る時は前方の、降りる時は後方のドアから降りるのは日本のバスと同じです。
地下鉄の乗り方
地下鉄は全部でM1~M4までの4路線が走っています。24時間年中無休で、通常3~6分、ラッシュアワー時は2~4分間隔と、東京の地下鉄と大差ない頻度です。
自転車の持ち込みが可能ですが、ラッシュアワー時は禁止されています。なお、自転車持ち込み時は自転車用のチケットも必要になります。
日本と違って改札は無いので、車内での検札時にチケットを見せられるようにしておきましょう。
人魚姫の像や救世主教会、クリスチャニア、フレデリック教会など、中心部の様々な観光地に地下鉄の最寄り駅がありますので非常に便利です。使う機会は一番多いかもしれません。
電車の乗り方
鉄道はデンマーク国鉄(DSB)によって運行されており、スウェーデンのマルメ駅なども結んでいます。首都圏近郊路線である「S-Tog」も運営してます。旅行者は主に近郊路線を使うでしょう。
改札が無い点や自転車を乗せることができるのは地下鉄と同じです。こちらも自転車持ち込み時は自転車用のチケットも必要になります。
また、郊外にあるフレデリクスボー城やクロンボー城、世界遺産のロスキレ大聖堂の他、アンデルセンの生地であるオーデンセに行く時にも使います。コペンハーゲンは郊外にも多くの見所があるので、そういった場所を回る人であれば鉄道を使う機会は意外と多いです。
コペンハーゲンのゾーン制
コペンハーゲンでは多くのヨーロッパ諸国と同じようにゾーン制というシステムが採用されています。簡単に言えば、ゾーンを跨ぐと料金が増していく仕組みになっています。
少し大きな画像でゾーンを確認してみましょう。マップの赤いゾーンは正確にはゾーン1です。
ゾーンで上がる料金システム
上記のように設定されたゾーンを跨ぐことによって運賃が決まります。その移動にいくつゾーンを跨がなければならないのか?が重要になってきます。この時考えるゾーン数とは、目的地と出発地を直線で結んだ時のゾーン数です。
最も安い片道のSingle Ticketが24DKK(約400円)。自身が今いる場所の隣のゾーンまで移動できるチケットとなります。例えば上の画像でゾーン4にいたらゾーン5orゾーン3まで移動できるわけです。
それ以降は跨ぐゾーンが1つ増えるごとに12DKK加算されていきます。詳しくは公式サイトのこちらのぺージに書いてあります。
人気観光地のゾーンは?
購入チケットを絞るためにも覚えておいて損はない、人気観光地のゾーンについて簡単にまとめてみました。上で紹介したゾーンのマップを参考にして書いていますのでご承知おき下さい。
やはり主要観光スポットは中心部のゾーン1~4に集中しているようです。後に紹介するチケットの種類と料金を見て、最適なチケット選びに役立ててください。
- チボリ公園
- ストロイエ通り
- ニューハウン
- クリスチャニア
- 人魚姫の像
- ローゼンボー城
- アマリエンボー宮殿
- グルントヴィークス教会
- etc…
- カストラップ空港
- デンマーク国立水族館
- 野外博物館
- アルケン近代美術館
- ロスキレ大聖堂
- ヴァイキング船博物館
- フレデリクスボー城
- クロンボー城
- ルイジアナ近代美術館
これ以外にも勿論、人に寄って行きたい場所は異なります。こちらのRejseplanenという公式サイトにてルートの検索、ゾーンと料金が把握できますので役立ててください。
出発地と目的地を入力後、「TARIFFS&TICKETS」をクリックすると、Zonerで目的地のゾーンがどこなのかを確認できます。
チケットの買い方
コペンハーゲンの交通機関のチケットは、Single Ticketを基本として幾つかの種類があります。自分がどのチケットを買うのがお得なのか把握して、無駄な出費を抑えましょう。
チケットは駅の自動券売機や窓口の他、公式アプリからも購入することができます。後述するCity Passに関して言えば公式サイトからの購入も可能です。
チケットの種類
チケットの種類が結構多いので知っておきましょう。
- Single Ticket…跨ぐゾーン数で料金が変わる片道チケット。1時間有効。
- City Pass Small…ゾーン1~4まで乗り放題となるチケット。24~120時間まである。
- City Pass Large…全てのゾーンが乗り放題となるチケット。24~120時間まである。
- Commuter Card…通勤者向け。30日~の定期券。
- Rejsekort(Travel Card)…Suica的な磁気カード。Single Ticketの割引を受けられる。
- etc…
Commuter Cardは通勤者用の定期券ですので、旅行者向けではありません。
Rejsekortはデンマーク中で使えるため、料金だけを考慮する場合は旅行者でも買う価値があるかもしれませんが、長期滞在者に限ります。種類がいくつかありますが、旅行者はRejsekort Anonymousしか買えません。しかもAnonymousはオンライン購入不可です。
なので、普通の旅行者は買う手間を考えるとあまり必要はない気がします。買いたい場合は中央駅の窓口などで購入になります。
詳しくは公式HPをご覧ください。
どのチケットを買うべきか?
どのチケットを買うかは旅行スタイルにもよります。
- 入場料を伴う観光施設を回る→コペンハーゲンカードの方がお得
- 観光施設は回らないが交通機関での移動は多用する→City Pass
- 交通機関は殆ど使わないけど利用したい時がある→Single Ticket
主要の観光スポットはゾーン1~4までに集中しているので、City Pass Smallは比較的使いやすいと思います。しかし博物館や美術館といった観光施設は入場料がかかる場所もあります。大人気のチボリ公園にも入場料は必要です。
さらに、郊外の人気のクロンボー城やフレデリクスボー城、ロスキレ大聖堂に行くとなると入場料を伴いますので、結局コペンハーゲンカードが最強になる場合が多いです。
チケットの料金
チラッと上述しましたが、改めてまとめましょう。料金は2020年現在のものです。Commuter Cardは通勤者向けなので除外しました。
チケットの種類 | 大人(16歳以上) | 子供(0-15歳) | Rejsekort割引 |
Single Ticket | 24DKK~ | 12DKK~ | 16DKK~ |
City Pass Small 24hours | 80DKK | 40DKK | ー |
City Pass Small 48hours | 150DKK | 75DKK | ー |
City Pass Small 72hours | 200DKK | 100DKK | ー |
City Pass Small 96hours | 250DKK | 125DKK | ー |
City Pass Small 120hours | 300DKK | 150DKK | ー |
City Pass Large 24hours | 160DKK | 80DKK | ー |
City Pass Large 48hours | 300DKK | 150DKK | ー |
City Pass Large 72hours | 400DKK | 200DKK | ー |
City Pass Large 96hours | 500DKK | 250DKK | ー |
City Pass Large 120hours | 600DKK | 300DKK | ー |
※Rejsekort(Travel Card)はCity Passには割引が適用されません。
これらとは別に、コペンハーゲンカードを買えば全てのゾーンを含む公共交通機関の利用が無料になります。城や博物館といった施設も無料で86カ所入場できますので大変お得です。
詳しくはこちらの記事で紹介しています↓↓
さいごに
コペンハーゲンの交通機関について解説しました。チケットの種類が多いので面倒くさく感じますし、日本との違いにも戸惑いますが、把握しておけば怖くはありません。むしろ郊外も楽しいので有効活用はしておきたいですね。
自分でまとめることで、また自分が行く時に役に立つという意味でも、こういった記事はなるべく増やしていきたいです。読んだ方にも参考になっていれば幸いです。
読んでいただきありがとうございました。
コペンハーゲンの観光スポットまとめはこちら↓↓
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