【参考にして下さい】キシナウからキエフへバスで移動して沿ドニエストル共和国を通ってみた

ルーマニア・モルドバ・ウクライナの3国をいっぺんに渡る旅行者は少なくないので、モルドバの首都キシナウからウクライナの首都キエフへバスで行きたい方もいると思います。

今回は実際に長距離バスを利用してキシナウ→キエフまで行ってきましたので、解説も交えてここに記します。多くの人が心配要素であろう沿ドニエストル共和国を通ています。

キシナウのバスターミナルについて

キシナウからのバスに乗るにあたって、まずチケットを買わなければいけません。キシナウからウクライナへは、他にオデッサやリヴィウ行きが、ルーマニアへはブカレスト・ブラショフ・ヤシ・ガラチ行きなど長距離バスが多く出ています。これら目的地によって発着するバス停が違うというのが厄介なところです。 バス会社によってはネット購入もあるようですが、各々のバス停で購入することも可能です。

下の地図はそれぞれ右から順に中央バスターミナルです。各バスターミナルにATMはあります。クリコバやオルヘイ・ベッキ行きのバスターミナルはこちらの記事で説明してあるバス停を利用してください。

  • 北バスターミナル……国内北方面、ウクライナ、その他の国
  • 中央バスターミナル… 国内、沿ドニエストル共和国、ブカレスト行きはこっち
  • 南バスターミナル……国内南方面、ルーマニア、その他の国

キエフ行きのバスはキシナウの北バスターミナルから出発します。北バスターミナルへ行くにはミニバスの163番を使うか、トローリーバスの9番を使うといいです。料金はそれぞれ 3MDL(約18円)と2MDL(約12円)です。

チケットの購入は昼間がおすすめ

バスターミナルに着いた途端に「アブロード!アブロード!」と色んな人に指を差されながら言われたので何事かと思いました。そもそも自分以外のアジア人誰も見なかったもんな…そりゃ珍しいよな…と思いつつ警戒していたら、声をかけられました。英語は当然通じず。でも親切にも助けようとしてくれてるのが分かったので、「キエフ(Kiev)」と行先を伝えたらチケット売り場まで案内してくれました。

「GARA NORD」…Garaは駅、Nordは北という意味です

下の画像のチケット売り場でチケットを購入します。私は夜出発で朝にキエフに着くバスのチケットを購入しましたが、昼間のうちに買っておきましょう。何故かは後々判明することになります…

キエフ行きのバスは朝出発と夜出発のものがあります。朝は7:30出発、夜は20:30か21:30出発のものがあるようです。私は21:30発のチケットを購入。事前にネットで調べた情報では料金は300MDL(約1800円)~となっていたのですが、281MDLで買えました。何故かは不明です…。どのバスでも所要時間は約10時間ほどとのこと。

因みにバスターミナルのトイレは有料(2MDL)でした。海外あるあるですが、モルドバの物価の安さを考えるとまぁ払っても良いかなという感じです。ちょっとした売店などもあるので、お土産や記念で持って帰らないのであれば、モルドバを出国する前に現金は使い果たしておく方がいいです。チケットを買ったら街中で使い切ってから戻ってくるのが楽かも。

キシナウを出発

出発は6番乗り場から。バスターミナルの大きな広場に沢山並んでますので上を見ながら探してください。このような看板があります。「Kiev」と書いてありますね。遅くとも出発予定の20分くらい前にはバスターミナルにいるようにしましょう。

バスが来たのは21:15。しかしまさかの満席。しかも立ち客までいる始末。これで10時間かけてキエフ行くん?(´・ω・`)

そして私の座席は最後列の真ん中という、これまた寝づらい場所。立ち乗車を除けば最悪の席と言っていいでしょう。なお古いバスでWiFiもありませんでした。WiFi有のバスも存在するらしいので、 これは運が悪かっただけかもしれません。しかしチケットを昼間に買っていなかったらどうなっていたか…

出発は定刻通り21:30でした。そして1時間ほど走ったのち、停車。沿ドニエストル共和国に着いてしまったようです。ここで行われたのはまず乗客全員のパスポートの回収。20分ほどの停車でした。

戻ってきたパスポートには沿ドニエストル共和国への入国証明が挟まっていました。この後すぐ出発したものの、30分ほどでまた停車。今度はどうやらウクライナへの入国審査かな?

沿ドニエストル共和国とは?

凄く簡単に言えばモルドバから勝手に独立宣言した国(地域)。実際にモルドバからの統治は及んでいないため、実質独立状態、だけど主権国家として国際的に認められていないというちょっと面倒くさい存在。国旗にはソ連の鎌と鉄槌が入っており、かなりロシア寄りだということです。「 国際的に認められていないけど事実上独立」が重要ポイントです。

沿ドニエストル共和国を通るこのバスは、そのままウクライナに入国します。そのため、モルドバの出国審査を受けることなくウクライナの入国審査になったようです。

ここでの停車ではバスから全員が降ろされました。で、パスポートをまた回収。20分ほどで再びバスへ乗車するよう言われました。乗車時に入国審査官から一人一人顔をチェックされますが、私だけ少し長く見つめられました。たぶん日本人が珍しいんでしょうね。

旧ソ連圏で似たような状況のエリアはいくつかあるようです。面倒くさいですね。パスポートにはしっかりスタンプが押され、沿ドニエストルの紙は消えていました。これで私はモルドバの出国スタンプなしでモルドバを出国してウクライナに無事に入国したことになります。

キエフへ到着

キエフに到着したのは7:25頃。所要時間は10時間ほどですので、概ね予定通りだったようです。最後列の真ん中でよく爆睡したなと思います。因みに、道中にトイレ休憩はしっかりありましたよ。

疲れと朝ボケでバス停の写真撮り忘れたのが悔やまれますが、簡単な解説だけ。

到着バスターミナルはキエフの中央バスターミナルと呼ばれるところ。下記が地図です。

バス停付近にマクドナルドがありますので、食事も済ませられWiFiも使えるのはありがたいです。ここから市街地に出て、キエフ観光を無事に開始できました。

まとめ

夜行バスの旅は慣れていますが、最後列の真ん中というのは初めてでした。また沿ドニエストル共和国を通ったり、そもそも言葉が分からなかったりと不安要素がゼロではなかったので良い経験になったと思います。

ウクライナ、モルドバ、沿ドニエストル各国はこの状態を承知だと思う(でなければ毎日バスが運行されるはずがない) ので 、基本的には私のような海外からの旅行者が使っても今回のように問題なく出入国できるのだと思います。ただし、いつ何が変わるか分かりませんので、現地で情報を入手するか、別のルートを考えるといった選択肢も持っておくといいでしょう。

読んでいただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました