ノルウェーの第二次世界大戦時の苦難を学べる、レジスタンス博物館inオスロ

オスロに滞在中、アーケシュフース城の敷地内にあるノルウェー レジスタンス博物館に行ってきました。ヨーロッパの諸国にこういった博物館は多くありますが、やはり第二次世界大戦の傷跡というのはどの国も大きいものだなと感じます。

レジスタンス博物館の概要・行き方

設立は1966年。ノルウェー開放25周年を記念して、1970年に一般公開されました。展示の内容は1940年から1945年までのナチス・ドイツによるノルウェー占領に焦点を当てています。

オスロ中央駅からほど近く南西にあるアーケシュフース要塞の中にあり、近くにはアーケシュフース城、ノルウェー軍博物館もあります。

詳細情報

徒歩でも中央駅から15分程度で行けますし、トラムを使うなら12番に乗ってKontraskjæretで降りればすぐです。

要塞を散策しているのも楽しいですし、湾がよく見えて風も気持ち良かったです。

レジスタンス博物館 展示内容

当時使われた武器や、どんな戦いが行われたのかといった重苦しい展示を見ていると感じる負の気持ちは、この手の博物館に来るといつも同じですね。

こちらの博物館はオスロパスを使えば無料で入れます。あまり人はいませんでしたが、観光客よりも地元の方の方が見に来ているような印象でした。

まず出迎えるのが大量の銃。こちらに突き付けられているようで、なんだか緊張してしまいます。実際に使われた数はこんなものではないのでしょうけど。この緊張感で「戦争に関する博物館に来たんだな」と実感が湧きました。

ナチスは1939年にポーランドに侵攻。これが第二次世界大戦勃発と言われている時なわけですが、ノルウェーおよびデンマークに侵攻したのは1940年4月9日。何故ノルウェーに侵攻したか。表向きには、「イギリス・フランスからノルウェーの中立を守るため」という理由でしたが、実際は北海から大西洋に抜ける海域を抑え、英仏に侵攻する下準備といったものだったと言われています。

ノルウェー国土内においてどこで戦闘が行われたのかを示す地図も。地図の背景にはご存知ハーケンクロイツ。ナチスがナチ党のシンボルとして使った鉤十字ですね。当時充分な準備が出来ていなかったノルウェーを、ナチスはあっという間に占領していきました。

それでも諦めず抵抗を続けたノルウェーは、ドイツ軍の重水製造施設を破壊して連合国の勝利に大きく貢献。とうとう1945年にドイツ軍は降伏。ノルウェーは解放されました。

当時使われていた武器なども当然展示されています。中にはナチス将校の使っていた鞭なども置いてありました。武器が好きな方もいますから、これはこれで楽しむ方もいるのかもしれません。

ただ、武器って相手を傷つけるためのものであって、自衛は方便かなと個人的には思います。相手を傷つける(ないしは殺す)ことで自分を守るわけですから、攻撃手段と言える。だから見ていて気分が上がるものではないですねぇ。

とはいえ、武器である日本刀が芸術品として価値があるように、上記もまた極端なものの見方かなと一瞬で反省。色んな価値感があっていい。でも戦争には使っちゃダメなのは間違いない。

血と共にハーケンクロイツ。なかなか強烈なイメージです。日本人にとっての原発みたいなもので、もはやトラウマなんだろうなと思います。個人がヨーロッパでこのマークを使うだけで大変なことになってしまいますからね。逮捕ものです。

そんな風に他人事のようにこのマークを眺めていたら、他のお客さんの会話がチラッと耳に入ってきたのですが、「Japan」という単語が聞こえてきました。私のことを見て言ったのではなく、展示を見ながら話しています。

「あぁそっか、他人事じゃないんだな。日本も枢軸国側だったもんな。」と気付かされた瞬間です。今を生きる私たちが罪悪感を感じる必要は全くないと思っています。が、他人事でいるのは違うんでしょうね。どんな距離感で何をすべきかは私には分かりませんが。

展示を見学後は要塞から美しい湾を眺めました。こんな風に今後ものんびりと過ごせていけたらどんなにいいか。世界は常に変化し続けていますし、また戦争が起こる日は来るかもしれません。

未知の病が流行ったり、環境の変化で絶滅する日がくるのが先か、戦争で自滅して死に絶えるのが先か…人類はどんな道を辿りますかね。

さいごに

「日本は平和ボケしすぎ」という意見も聞く昨今。しかし中国・南北朝鮮といった隣国との関係悪化や領土問題など、日本は吞気に過ごしていられる状況ではないです。

今はどの国も戦争はしたがっていないと思いたいですが、どんな状況になってもおかしくないのは歴史が証明してきたこと。自分たちが、またその子孫がどうなっていくのか。誰にも分かりませんが、良い方向に持っていけるのは今を生きている人達です。

せめてこういった博物館を通じて、平和教育がもっと進んでいけばと祈るばかりです。やはり戦争系の博物館は考えさせられますね。

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