オスロには観光スポットが多くありますが、その中でも中心部から離れていて穴場になっている場所が、ホルメンコーレンにあるスキー博物館です。
「ノルウェー人はスキーを履いて生まれてくる」という言葉があるほどに、ノルウェー人にとって身近なスポーツであり続けているスキー。競技としては世界最強レベルです。しかしスポーツとしてだけでなく、本来はスキーは移動手段。ノルウェーの歴史と文化に密接にかかわっています。
スキー博物館はスポーツとしての側面だけでないスキーのことを学べ、更に併設のジャンプ台では絶景も楽しめる素晴らしい場所。
この記事ではそんなスキー博物館に行ってきた筆者が行き方と内部を紹介します。
スキー博物館への行き方
スキー博物館はオスロ北西部、ホルメンコーレン地区に位置しています。そこそこ登る必要がある勾配なうえ、徒歩ではとても行ける距離ではないので、公共交通機関を使いましょう。
オスロからホルメンコーレンに行くのにはメトロを使います。出発はご自身の近い駅からとして、とにかく1番線を使います。乗っていると、いずれ地上に出てグングンと登っていきます。Holmenkollen駅に着いたら降りましょう。
駅を降りてすぐ、この看板が目に入るはずです。矢印に従って歩いて行きます。道路に出たら渡って小道を登り、また道路に出たら道路沿いに右へさらに歩いていけば、巨大なジャンプ台が見えてきます。看板は各所に設置されているので迷うことはないでしょう。
見えているジャンプ台に向かいます。下にある建物は博物館ではなくスキー学校なので注意です。博物館はジャンプ台併設なので、くっついているものと思ってください。
ジャンプ台まで向かい、案内板通りに進んでいればこの博物館入口に着きます。オスロパスを持っていれば無料で入場できます。
博物館の外部も見所たっぷり
いきなり博物館に行くのも勿論アリなのですが、実は外側にもなかなか面白いものがあります。少しご紹介しますね。
スキー競技場
やはりまず競技場の見学はしておくといいでしょう。遠くからでも目立ったジャンプ台は巨大で大迫力ですし、バイアスロンの競技場やクロスカントリーの競技場なども有しています。
古い歴史をもつ競技場で、ジャンプ台も何度も改築されています。現在のジャンプ台は2010年と、比較的新しく完成したもの。ここのバッケンレコード(最長飛距離記録)は日本人選手が何度か記録しており、それが記された碑もあります。探してみてください。
スキーシミュレーター
博物館の外にあるカプセル型の乗り物はスキーシミュレーター。ここで体験できるのは私もやっている競技である「アルペンスキー」というスポーツ。その中でも世界トップクラスの選手ならコースによっては最高時速150kmにも達するという恐ろしい種目、ダウンヒルです。日本語だと「滑降」とも呼ばれます。
ノルウェーのアルペン競技において英雄であるアクセル・ルンド・スヴィンダル選手が得意とした種目であり、カプセルにも姿が写ってますね。
もっとも、このシミュレーターは有料なので、財布と相談になります。流石にオスロパスは使えません(笑)
ジャンプに関する展示
入口のすぐ横にあるのが、スキージャンプとこのジャンプ台の歴史を伝える展示。より遠くへ飛ぶために様々な試行錯誤を重ね、面白いポーズで飛んでいたジャンプ競技。
現在でこそ空力に合ったフォームが完成しましたが、昔は腕をぐるぐる回したりと滅茶苦茶でした。そんなフォームの歴史と、ホルメンコーレン競技場の歴史についてたっぷりと書かれていて読み応えがあります。
入場前から是非、展示を楽しんでみてはいかがでしょうか。
博物館の内部
博物館の内部はスキーに関する、ありとあらゆることの展示。歴史・文化・スポーツ的側面からスキーのことが分かり、大変興味深い内容となっています。
スキーの歴史
そもそもスキーはノルウェー語を語源としており、その歴史は非常に古いものです。紀元前2500年頃から既に積雪期に交通手段として使われたと推定されており、10世紀~11世紀頃はヴァイキングも使っていたと記録されています。
それほどまでに生活の一部であったスキーですが、あくまで冬に使う、狩猟用や軍用の移動手段。これが進化を遂げてスポーツとして発展していったのは19世紀中ごろからと言われています。
「歩く、飛ぶ、滑る」といったよそはやがて「クロスカントリー、ジャンプ、アルペン」のように現代に繋がっていきます。1870年代にはスポーツとして定着し、技術は今日に至るまで発展し続けています。
レジェンドのスキー板
スポーツとしての側面が強くなったスキー。時代と共に形状も性能も変わっていき、昔の板を見ることは今では難しくなりました。しかしここでは、あらゆる年代のスキー板を展示しています。
中にはYAMAHAのスキー板まで。かつては日本のメーカーももっとスキーを作っていましたが、ブームの衰退と共に減っていき、今や数えるほどしかありません。
さて、このコーナーで一番注目したいのは、やはりレジェンドこと葛西紀明選手のスキー板です。
しかも本人のサイン入り、そして所属している土屋ホームの名前までばっちり付けっぱなし。昨今、テレビでは色んな人が「レジェンド」と言われやすくなりましたが、元祖は葛西紀明選手と言っていいでしょう。彼がソチ五輪で活躍してから、やたらとレジェンドという言葉が使われ始めましたから。
ノルディックスキーが盛んなノルウェーでは、日本人が思うよりもずっと葛西選手は大人気です。このスキー博物館にこの板があるのは当然でもあり驚きでもある。素晴らしい功績だからこそ成し遂げたことです。
子供向けコーナー
展示を見てるだけだと子供なんかはすぐ飽きてしまうものです。施設内には親子連れのために色々あると助かりますよね。ホルメンコーレンのスキー博物館は子供向けのコーナーも有しています。
何だか怪しい雰囲気の妖精?が出迎えてくれています。この先に入っていくと、何やら滑り台などの遊具が!そしてその見た目がどれもファンタジーです。
ここで過ごしていれば子供も飽きないでしょう。幻想的な光景と丁度いい暗がりで、もしかしたら写真映えも狙えるかもしれませんね。魅惑のおとぎ話のような世界、是非とも迷い込んでみましょう。
絶景の展望台
博物館からはスキージャンプ台に登ることが可能です。頂上はオスロ屈指の絶景を誇り、かなり遠くまで見渡す視界は非常に美しいです。
こちらのジャンプ台の記事でも載せているので、よかったら見てください↓↓
その他
やはりオリンピックが開催された都市なだけあって、スキー博物館にもオリンピック関連が。特に民族衣装の展示はなかなか見ごたえあります。
博物館は上映コーナーもあり、私が行った時はバックカントリースキーの映像や、ストリートでフリースタイルスキーを楽しむプロの映像が観られ、その迫力には感動するばかりです。
このビデオには先に出てきたスヴィンダルも出演していますよ。
殆ど崖を滑り落ちるバックカントリースキー。写真では真ん中のすぐ右側にスキーをしている人が写っています。凄い光景ですね。
もちろんお土産コーナーもあります。面白いのが、このお土産コーナーですらトロフィーなどが展示されていること。売り物ではなく、あくまで展示です。
定番のお土産を買うのも良し、スキーにまつわることを買うのも良し、色々と選べるので、お好みのお土産が見つけられるでしょう。
さいごに
オスロのスキー博物館についてご紹介させていただきました。やはりスキーに興味なくとも、博物館として純粋に楽しめる内容になっており、満足度は高いです。
実質の国技と言っていいスキー。ノルウェーの文化を知りたいというならば、避けては通れない存在ですので、是非ともここを訪れてみてはいかがでしょうか。
読んでいただきありがとうございました。
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