世界屈指の金融市場を持ち、世界一裕福な小国とも言われるルクセンブルクは、世界遺産となっている首都の旧市街を中心に観光地として大人気です。隣国から日帰りで訪れるには勿体ないほど色んな見所があり、国としても観光業には力を入れています。
この記事では私が訪れた観光スポットの中のおすすめに+αで訪れたいスポットを紹介していきます。
- ルクセンブルク基本情報
- ルクセンブルクのおすすめ観光スポット
- ルクセンブルク市 観光局(Luxembourg City Tourist Office)
- ルクセンブルク市 その古い街並みと要塞群(City of Luxembourg: its Old Quarters and Fortifications)
- ノートルダム大聖堂(Notre-Dame Cathedral, Luxembourg City)
- 憲法広場(Place de la Constitution)
- アドルフ橋(Pont Adolphe)
- ルクセンブルク大公宮(Palais Grand-Ducal)
- 銀行博物館(Musée de la Banque)
- 聖ミッシェル教会(Église Saint-Michel)
- ボック要塞(Casemates du Bock)
- パノラマエレベーター(Pfaffenthal Lift / Aufzug/ Scenic lift)
- ヴィアンデン城(Château de Vianden)
- エッシュ・シュル・シュール城跡(Burg Esch-sur-Sûre)
- クレルヴォー城(Château de Clervaux)
- サンモーリス・エ・サンモール修道院(Abbaye Saint-Maurice-et-Saint-Maur)
- クレルヴォー教会(Church of Clervaux)
- ヨーロッパ シェンゲン博物館(European Museum Schengen)
- +α リヴ・ド・クローゼン(Rives de Clausen)
- +α ムンステ通り(Rue Münster)
- さいごに
ルクセンブルク基本情報
「北のジブラルタル」の異名を持つ城塞都市を首都としているルクセンブルク市には多くの観光客が訪れます。そんなルクセンブルクを旅行するにあたって、役に立つ情報を抑えておきましょう。
特に気になる交通機関や治安はどうなっているでしょうか。私の経験も基に記載します。
ルクセンブルクの交通機関は無料!
2020年3月より、ルクセンブルクの国内全ての交通機関は無料化されました。同じような施策で国民向けに無料にした都市は他にも存在しますが、旅行者も対象かつ国全体という点で他とは一線を画します。交通網はよく発達して使いやすいのですが、他のヨーロッパの国々と同様に、本数や定時運航率といった点ではまだまだ発展途上かと思います。
観光客からすれば、交通機関にお金がかからないのは100%いい事です。精算方法を気にしなくてよく、旅費の節約にもなります。上手く利用して効率よく観光しましょう!
ルクセンブルクの治安
ルクセンブルクは伝統的に移民を多く受け入れてきた国ですので、様々な人種が入り混じっています。私には人種差別的意図は全くありませんが、黒人がいると怖いと感じる人が世の中には一定数いるのが残念ながら事実です。が、ルクセンブルクはそもそも裕福な国。同じく移民が多いアメリカに比べたら治安は非常に良好です。
ただし、観光地として人気ということは、観光客狙いの犯罪も無くはないということ。夜に一人で出歩いたり、荷物から目を離すといった不用意なことをしなければ大丈夫です。海外旅行にあたっての常識的な注意をしましょう。
ルクセンブルクの言語 英語は通じるか?
ルクセンブルクの公用語は主に3つ。ルクセンブルク語、ドイツ語、フランス語です。しかしながら、ルクセンブルクは移民の国。なので私が経験した範囲では英語も普通に通じることが多かったです。
特に首都であるルクセンブルク市は問題ないのですが、郊外や地方のバス運転手には通じなかったこともあります。皆さん親切ですので、そこまで困ることはありません。特別な心配は必要ないでしょう。
ルクセンブルクのおすすめ観光スポット
それでは、ルクセンブルクでのおすすめ観光スポットをご紹介していきます。実際に私が訪れたところから選んでいますので参考にしてください。
ルクセンブルク市 観光局(Luxembourg City Tourist Office)
最初に紹介するのはルクセンブルク市の観光案内所です。まずここに行くことをオススメします。シティマップやルクセンブルクカードの購入もこちらで行うことができ、観光ツアーなどの情報もこちらで入手・申し込みすることができます。ルクセンブルクカードは交通機関の無料化により魅力が減りましたが、それでも博物館への入場無料でお得になります。
また、ここの位置を覚えておくことで、周辺の観光スポットがどの方向にあるかなど把握がしやすいといった意味でも重要な場所。出発点として使ってみましょう。
ルクセンブルク市 その古い街並みと要塞群(City of Luxembourg: its Old Quarters and Fortifications)
首都であるルクセンブルク市は、標題の名前でユネスコの世界文化遺産として登録されています。城塞都市として有名で、一目見て驚くのは巨大な城壁と緑の豊かさの調和ですね。この都市全体が見所であり観光スポットなのですが、都市の中にも多くの観光スポットがありますので、個別にも紹介していきます。
切り立った崖のような城壁から見下ろす都市はスケールが違います。行ったら絶対に驚くこと間違いなしです!正直紹介しきれないほどの写真を撮ってしまうほどです!
ノートルダム大聖堂(Notre-Dame Cathedral, Luxembourg City)
ノートルダム大聖堂という名の教会はヨーロッパにいくつかありますが、ここルクセンブルク市にも立派なものがあります。後期ゴシックの代表例とされていますが、バロック様式とルネサンス様式の建築要素が混じった建物で、その特徴的な3本の尖塔が美しい外観はもちろんのこと、内装は必見です。もともとは1613年にイエズス会の教会として建てられたものです。
運が良ければパイプオルガンの演奏を聴くことができます。祭壇の後ろにあるステンドグラスの美しさも見事。厳かな雰囲気に包まれながら聴く演奏は格別ですよ。地下には大公家のための礼拝堂が備わっているので、そちらも訪れてみましょう。
憲法広場(Place de la Constitution)
ノートルダム大聖堂のすぐ近くにあり、ペトリュス渓谷の絶景が前面に広がる位置にあるのが憲法広場です。朝、夕方、夜と違う美しさを見せるペトリュス渓谷の景観は私の貧相な語彙力では表しきれないほどのもの。アドルフ橋も一望でき、スケールが分かりやすいですよ。広場には金色の像があり、これは第1次世界大戦の戦死者への慰霊碑だそうです。
多くの観光客、特に中国のツアーバスなどが必ず来ますので、行く時間は見計らった方がいいです。12月になったらクリスマスマーケットが開かれるので、防犯に気を付けつつ夜に行くのも一興だと思います。
アドルフ橋(Pont Adolphe)
アドルフ橋はペトリュス渓谷にかかる、見ての通り大きな橋のことです。旧市街と新市街を結んでおり、周りが木々に囲まれていて、葉の色が変わる季節はより美しくなります。
写真をよく見ると、アーチの中にも道があるのがお分かりいただけるでしょうか?この橋は上を渡るだけでなく、すぐ下の道も渡ることができるのです。どちらの道を歩いても絶景が広がっています。ノートルダム大聖堂もここから撮ると全容がしっかり撮れますよ。
ルクセンブルク大公宮(Palais Grand-Ducal)
ルクセンブルクは大公国ですので、大公という国家元首が存在します。立憲君主制の国ですが、儀礼的な職務に留まらず、行政権を執行できるようです。そんな大公の公邸として大公の仕事で使われる場となっています。外観は16世紀に建てられた見事なルネッサンス様式の建築で、街中において一際目立つ存在感を醸し出しています。 建物の前にはルクセンブルク軍の兵士が常駐で警備任務を行っています。
7月から9月の第1週にかけてのみガイド付きツアーで中に入ることができます。ツアーの予約は公式HPから行うことができ、言語も数多く用意されています。
銀行博物館(Musée de la Banque)
アドルフ橋のすぐ近くに非常に立派な建物があります。先に述べたように、ルクセンブルクは金融大国。この、いかにも歴史がありそうな重厚な雰囲気の建物はルクセンブルクの140年に及ぶ銀行業の歴史に焦点を当てた博物館なのです。貨幣の展示の他、銀行業務で使用する機械の展示などを楽しむことができます。
何よりもここが素晴らしいのは、入場が無料ということです!気軽に立ち寄ることができますので、ルクセンブルクの金融国家としての側面を知るならば、訪れておきたい場所ですね。
聖ミッシェル教会(Église Saint-Michel)
旧市街にフラッと現れる素朴な教会が聖ミッシェル教会です。実はルクセンブルク最古の教会でして、その歴史は非常に古く、ルーツは987年にまで遡るそうです。見た目の派手さはありませんが、祭壇の絵画とステンドグラスは美しく荘厳です。
今でも礼拝に大勢の人が訪れる、市民に寄り添った教会です。ボックの要塞にとても近いので、当時の兵士たちもここで祈りを捧げていたのかもしれませんね。
ボック要塞(Casemates du Bock)
ユネスコの世界文化遺産である「古い要塞軍」に属しているのがこのボック要塞です。城壁から下を除くと迫力満点(落ちたら死にますので注意)ですし、この城壁内には入ることも可能です。今なお大砲が展示されており、この大砲はフランスから寄贈されたものだそうです。ルクセンブルクにおいて観光客が最も訪れる場所の一つとなっています。
昼も夜もここからの眺めは正に絶景。夜の一人歩きは気を付けなければいけませんが、ここの夜景は捨てがたいので、暗くなってから見に行ってみるのもアリです。
パノラマエレベーター(Pfaffenthal Lift / Aufzug/ Scenic lift)
高低差があまりにも大きいルクセンブル市において助かるエレベーターです。下の地域と上の地域を結んでおり、無料で一気に移動することができます。早朝6時から深夜の1時までと営業時間も長いので、殆どの観光客は困らないでしょう。
高さは40mにもなり、このエレベーターから見る景色もまた絶景の一つ。エレベーター室内は透明ですので、移動しながらも景色が見れてしまいますから、高所恐怖症の方は要注意ですね。
ヴィアンデン城(Château de Vianden)
次にルクセンブルク市から離れた観光スポットもご紹介していきましょう。ルクセンブルクには中世の古城が数多く残っていますが、このヴィアンデン城はその中でも恐らく最も有名であろう城です。遠目に分かるほどの大きな城は、増改築を繰り返して現在の大きさになりました。
中は博物館として展示物が多くあるほか、今でもルクセンブルク大公が国賓をもてなす時に利用しているようです。首都からのアクセスも悪くないので、是非訪れてみてください。
ヴィアンデン城への詳しい行き方は下の記事を参考にしてください。
エッシュ・シュル・シュール城跡(Burg Esch-sur-Sûre)
エッシュ=シュル=シュールはルクセンブルク北西部にある小さな町。そこに残っている古城の跡がエッシュ=シュル=シュール城です。見ての通り現在は廃墟となってしまっていますが、夜にはライトアップされるなど観光地としてしっかり保存されています。廃墟なので24時間営業です。
町の中とはいえ、小高い山の上にあるので少し登る必要がありますが、非常に古い歴史をもつ古城ですし、登ったあとの景色も良いので是非訪れてほしい城の一つになります。
エッシュ=シュル=シュール城への詳しい行き方はこちらの記事を参考にしてください。
クレルヴォー城(Château de Clervaux)
ルクセンブルクの北部にある町、クレルヴォーにある白くて美しい外観と庭を持つ城がクレルヴォー城です。12世紀に建てられた城で、現在ではエドワードシュタイヘンの写真展示などが内部にあります。
中にある版画や写真の展示は膨大で、地方の小さな町にありながら観光客が絶えない場所です。他にもジオラマや戦争に関する展示も多数。城の入口の庭には、アメリカ軍が終戦後に残していったという戦車が置かれています。
クレルヴォーへの詳しい行き方はこちらの記事を参考にしてください。
サンモーリス・エ・サンモール修道院(Abbaye Saint-Maurice-et-Saint-Maur)
クレルヴォーの町の山の中腹にあるのが、サンモーリス・エ・サンモール修道院。クレルヴォーの駅からもその姿が見えるので、すぐ気付くと思います。1890年に設立されたもので、フランスのベネディクト会の修道士たちによって建てられたものだそうです。現在はフランスに限らず、様々な国からベネディクト会の修道士たちが着て生活しています。
クレルヴォー城に行くことがあったら、ここも同時に訪れるとよいでしょう。それなりに登山みたいな登りですので、夏場はあまりオススメはしませんが。
クレルヴォー教会(Church of Clervaux)
クレルヴォー城から5分程度で行けるのがクレルヴォー教会。ロマネスク様式のカトリックの教会で、その外観はもちろん、内部のステンドグラスも素敵です。クレルヴォー城と同じく高台に位置しており、クレルヴォーの町を一望できるのも嬉しいところ。
この教会から、一つ上で紹介した修道院までで徒歩15分といったところ。クレルヴォー駅に着いた後に修道院→教会→城と回るか、その逆にするかは好み次第ですが、個人的には城から回ることをお勧めしたいです。最初に修道院に向かうと、体力がない方は少し心が折れます。
ヨーロッパ シェンゲン博物館(European Museum Schengen)
長期でヨーロッパを旅行する人を悩ませるシェンゲン協定。もちろん恩恵にも預かっていますが、そのシェンゲン協定はここルクセンブルクの小さな村であるシェンゲンで結ばれたものです。発祥の地であるここには、加盟する国々の国旗が掲揚されていたり、ここを訪れた人が錠をかけるモニュメントがあったりします。
その中でもこの博物館は入場無料にも関わらず非常に充実した展示内容で、シェンゲン協定の発足から現在までの発展に至るまで、多くの資料を基に知ることができます。バスを乗り継ぐと行くのも難しくないのが嬉しいですね。
実際にここに行った時の旅行記・行き方については下の記事で紹介してます。
+α リヴ・ド・クローゼン(Rives de Clausen)
+αで紹介したい穴場スポットその1です。ボック要塞から見下ろせる場所なのですが、少し歩くと着くことができます。この通りの良い所はレストランやバーがかなり密集しているところ。選択肢に困りませんし、ここも歩いているだけで楽しい場所です。
そのまま南西方面へ歩くとマイクロソフトやアマゾンのオフィスもあり、ルクセンブルクがタックスヘイブンとして利用されていることが感じられる地域でもあります。そのまま川沿いを散歩するのも気持ちいいですよ。
+α ムンステ通り(Rue Münster)
ムンステ通りはボック要塞から見下ろした場所にあります。ここの橋はフォトジェニックなスポットとして人気があり、風がなければ写真のように街並みと空が反射してとても綺麗です。
この通りは歩いているだけでも景色が美しくて楽しめる他、近くに国立自然史博物館やノイミュンスター修道院文化会館といった観光スポットも点在してますので、飽きることなく時間を過ごすことができます。静かで観光客も多くないので、リラックスする為にも訪れてみてほしいです。
さいごに
いかがでしたでしょうか。ルクセンブルク大公国は世界で初めて国内の交通機関を全て無料にするとなり、観光の面でも環境の面でも優しい国になりました。今後さらに観光客の増加も見込まれるでしょう。
人気になりすぎる前に、是非一度ルクセンブルクを訪れてみませんか?
読んでいただきありがとうございました。
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